地方都市、四方山町(よもやま)。
古くからの温泉街で、最近はニュータウン開発も進んでいる。
この町には、千年の昔から続くと言われる伝統の祭があった。
それが、
『四方山大大祭(よもやまだいたいさい)』。
60年に一度開かれるそれは、町の3方にある3つの神社を挙げての盛大な祭である。
だが、その祭にはもうひとつの顔があった。町に住む人ですらほとんど知ることのない、四方山大大祭のもうひとつの顔。
それが、
『黒払い』。
3柱の神様が、四方山に溢れ出す『黒』と呼ばれる怪物たちを退治にやってくる。そんな御伽話のようなことが、この町ではずっと昔から現実として行われていた。
ひっそりと。
でも、確かに……。
夏休みに入ったばかりの7月。引っ越してきたばかりの主人公は、とあるきっかけから、神様のパートナー――共に『黒』を狩る『獲り手(とりて)』――に選ばれてしまう。
訳もわからないまま、非現実的な祭に参加させられてしまった主人公。3柱の神様たちと、それぞれの『獲り手』達の織り成す、騒がしくも楽しい一ヶ月の祭が始まる。
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