− SAMPLE VOICE −











絢水は3年前に父と別れ、母・雪江とともに上郷の町に移り住んできた。

そのきっかけとなったのは、とある事件。

彼女はその時のことを誰にも語らない。



だが、その事件以降、彼女は早く大人になりたいと願うようになった。



ある夏休み、上郷の町に訪れた一人の青年。

絢水が普段触れることのない、ちょっと年上の人。



最初はただの好奇心。

友人たちに付き合うような形で、その青年―――真人との交流は始まった。



しかし、その距離が近づくにつれ、

絢水は自分の中に真人を憎からず思う感情があることに気付く。



その時、彼女は思った。

彼の存在は、自分が大人になるきっかけなのだと。