俺は軽く断りを入れてから、オルカを操作する。
次の瞬間、俺達の周囲にSRが表示された。
「……っ!」
「オルカを使えば、こうやってSRを動かすことができるんだ」
「このほうが、もっと近くで見られるだろ?」
「ありがとう、太陽くん!」
眩しい笑顔を浮かべると、蓮ヶ瀬さんがSRに視線を向ける。
……やっぱり、すごく可愛いよな。
「うわ~、うわ~、本当にリアル!」
「ああ、ちなみにSRっていうのは――」
「これってSRユニットを使って脳波を刺激することで、本当は存在していない映像と音を、まるでそこにあるかのように感じさせてくれるんだよね! これを応用して、まるで現実と同じようなネット空間を作り出す研究もしているっていうんだから、もう、すごすぎるよね! ねっ!」
「……詳しいんだね」
この街に来たばかりという水菜に、ここでしか見られない「SR」というテクノロジーを紹介した太陽。はじめて見たはずなのにすごく詳しい水菜。見かけによらず、こういったのものが好きな様子。